PROJECT STORY

PROJECT STORY

インド高速鉄道の軌道を支える
一大国家プロジェクトに挑む。

PROJECT MEMBER

J.I

J.I

海外営業
2010年入社

H.O

H.O

国内営業
2014年入社

A.T

T.M

研究開発
2016年入社

STORY. 01

日本とインドで築く、
信頼の高速鉄道

STORY. 01

インドでは、これまで鉄道輸送の多くを在来線が担ってきたが、経済成長に伴う輸送需要の拡大により、速度や安全性、輸送効率の面で課題が顕在化していた。こうした背景のもと、輸送インフラの高度化に向けた取り組みが進められ、その中核として注目されたのが高速鉄道である。

そんな中、インド政府が強い関心を示したのが、世界的に支持されている日本式高速鉄道、すなわち新幹線だ。日本の新幹線は1964年の開業以来、乗客死亡事故ゼロという実績を誇る。それが評価され、日本がインドに対し技術力を提供するODA(政府開発援助)の形で、「インド高速鉄道プロジェクト」は始動した。ムンバイ~アーメダバード間の約500kmを結ぶ路線で、完成すれば在来線で約6時間かかっていた移動時間が約2時間に短縮される。

日本の新幹線では、主にスラブ軌道が採用されており、これは安全性の向上とメンテナンスの省力化を目的として開発されたものである。コンクリートの路盤上に軌道スラブと呼ばれる5mのコンクリート板を連続で設置し、その上にレールを敷設する構造だ。スラブ軌道の突起周辺部や各種直結軌道の枕木下面への振動や衝撃をやわらげるため、緩衝材として用いられているのが中国塗料の軌道用樹脂てん充材「CUS」である。

本プロジェクトでは、日本国内で製造したCUSを現地に納めるだけではなく、インド国内のパートナー企業でも生産できるよう、メンバーは技術継承に取り組む必要があった。また、本プロジェクトで使用される材料には、工場認定、製品認定および出荷前検査が必要となる。CUSは液性状および硬化物性の規格値を満たしているかどうかをオーナー立会いのもと検査する。

「試験の意義や方法を正確に伝えるのに、かなり苦労しました」と、入社以来樹脂てん充材の設計・開発に携わってきた製品担当技術者のT.Mは振り返る。

STORY. 02

コミュニケーションを密に、
部署間の連携を強化する

STORY. 02

樹脂てん充材は、鉄道インフラを支える機能材料として、新幹線をはじめとする在来線や地下鉄、路面電車の軌道などに幅広く用いられてきた。
「目立つ存在ではないが、その役割は極めて重要です。」と、T.Mは言う。

今回の認証試験は全18項目あり、JIS(日本産業規格)やISO(国際標準化機構)などの規格に準拠するものだけでなく、旧国鉄時代から引き継がれる独自の試験方法も含まれていた。言葉の壁がある中、彼は各試験項目の根拠を一つひとつ丁寧に説明し、相手の理解を深めるよう努めた。

一方、日本本社で海外支社との間の調整役を担ったのはH.Oだ。中国塗料では本プロジェクト向けに一定量のCUSをまとめて生産するバッチ生産方式を採用しているが、最大生産能力は原材料調達、稼働日数、生産枠、設備メンテナンス等の影響を受け変動する。これらを日頃より確認し、その時々で顧客要望の納期・数量に可能な限り対応する。製品の使用期限や保管条件の制約もあり、単純に造り溜めするわけにもいかず、適切なタイミングで最新バッチを現地に納入しなければならない。常に工場側とインド側の立場に立って、合意点を探ることが求められる。オーダーの急変更に伴う工場側との緊急調整、輸送時の破損トラブル等に都度対応しなければならず、小さなミスが全行程に影響を及ぼしかねない。
「だからこそ部門間の連携をいつも以上に強化しました」とH.Oは言う。コミュニケーションを密にし、全員が共通認識を持つための情報発信を心がけた。

そして、主に日本側の窓口となるH.Oと日常的にコンタクトをとり、インドの現地法人で営業を担当するのがJ. Iである。数名の現地スタッフと共にプロジェクトを管理しつつ、顧客対応や販売サポート、製品輸出入業務のケア、パートナー企業との折衝を行っている。彼もまた、このプロジェクトを通してチームワークの重要性を実感していた。

STORY. 03

価値観をすり合わせ、
“オール中国塗料”で困難を乗り越えろ

STORY. 03

本プロジェクトはインドと日本、両国の異なる期待が絡み合うため、相互の認識や価値観を常にすり合わせる必要がある。J.Iは、インド側の意見を深く理解し尊重しながら、双方が納得できる着地点を一つひとつ見出してきた。その積み重ねは決して容易ではないものの、着実に前進へとつながっている。
「おそらく、この地道な取り組みはプロジェクト完遂まで続いていくのでしょうね」とJ.Iは語る。

成果が形として現れるのは、ムンバイ~アーメダバード路線の全線開業だ。ヒトやモノの流れがより効率化・活性化する一助となり、インド経済のさらなる発展、雇用創出および貧困削減にもつながる。また日本政府としては、高速鉄道に関わる技術供与だけでなく人材育成も手厚くサポートしているため、日印の関係性がさらに親密になることが期待されている。

ひとつの国家プロジェクトにおいて、準備から施工までの全プロセスを自分たちの手で実行できるのは非常に意義深いと、メンバーは口をそろえる。この先、どんな困難が訪れても、グローバルに連携したチームワークで必ず乗り越えられるはずだ。将来のインド全土や他国での高速鉄道計画でも間違いなく本プロジェクトの経験や知見が活かされていくだろう。私たちの製品は、列車の安全運行、そして人々の豊かな暮らしを支える社会インフラの一部となっている。その思いを胸に、メンバーはこれからも“理想と現実のすき間”を確実に埋めていく。

RECOMMEND CONTENTS