2025.01.15

「低稼働内航船に適した船底防汚塗料の実船検証ならびに船体とプロペラの性能モニタリング」に関する共同研究について

当社は、2023年より神戸大学大学院海事科学研究科、株式会社三井造船昭島研究所、ナカシマプロペラ株式会社、国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所海上技術安全研究所との首記共同研究に参画しています。

実船検証では、当社が開発した内航船用高性能防汚塗料「シープレミア 3000 PLUS 2」および船体データ解析サービス「CMP-MAP」の技術が活用されています。

この取り組みは、海事産業におけるGHG排出削減目標の達成や、持続可能な社会の実現にも貢献するものと確信しており、当社は本共同研究を通じて防汚塗料が船体性能に与える影響を精緻に評価し、海域や運航形態に応じた適切な防汚塗料の更なる開発を進めて参ります。

■共同研究の概要

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(写真:係留中の神戸大学練習船「海神丸」)

本共同研究は、神戸大学練習船「海神丸」の(1)海上公試模擬試験による新造船からの性能変化評価結果と(2)試験実施時の船体・プロペラ汚損評価結果を対比することにより、船体・プロペラ汚損の性能への影響を可視化すること、および、「海神丸」のような低稼働の内航船に適した高性能防汚塗料の検証を行い、適用による燃料削減効果やCO2削減効果を学術的に評価することを目的としています。

■内航船用高性能防汚塗料「シープレミア 3000 PLUS 2」

本実証実験の試験部には、当社の内航船用高性能防汚塗料「シープレミア 3000 PLUS 2」 を、一般部には当社防汚塗料の一般品を塗装しています。2024年の「海神丸」夏季研究航海※1において、淡路島の志筑沖にて海上公試模擬試験と水中ドローンによる船体観察を行い、船体の汚損に起因すると考えられる15%の馬力増加を確認しました。ドローン調査の結果、一般部は汚損が確認されましたが、「シープレミア 3000 PLUS 2」を適用した試験部には汚損は見られず、次回入渠時に船体全体に「シープレミア 3000 PLUS 2」を適用することで燃費改善が期待されます。

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(写真:海神丸船底部、水中ドローンによる観測画像)

■船体データ解析サービス「CMP-MAP」

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(写真:3次元点群データ解析による船体状況評価イメージ)

この小規模海事クラスター産官学共同研究では、各参加機関(海運・造船・舶用・研究所・大学)の立場から技術・知見が集積できることに利点があり、「海神丸」の観測設備により取得した実船モニタリングデータは実海域実船性能評価(OCTARVIAプロジェクト※2成果を活用)に使用されます。

モニタリングにあたっては、当社の船体データ解析サービス「CMP-MAP」の基幹技術である、船体やプロペラの汚損状況や防汚塗膜の消耗状態を、水中ドローンや3次元点群データ解析で評価する技術を活用し、船体・プロペラ性能の客観的な評価と共有を実施しています。

お問い合わせ先

中国塗料株式会社

営業本部  戦略企画部

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