中国塗料の技術力

低燃費防汚塗料と船体性能解析

2020年8月21日(金)に行いました、インフォ―ママーケッツジャパン様主催の第1回サプライヤープレゼンテーションは大盛況のもと終了いたしました。ご参加いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。ウェビナー動画、ご質問への回答および関連資料を掲載させていただきます。

船底防汚塗料による燃費低減へのアプローチとその検証サービス

船舶の燃費削減に対し、船底防汚塗料が与える効果を分かりやすくご紹介します。

第1部:内航船向け船底防汚塗料の最新情報

第2部:就航解析及び燃費解析サービスについて

ご質問への回答(Q&A)

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第1部:内航船向け船底防汚塗料の最新情報

外航船向けには同じselektope®を使用した亜酸化銅フリータイプのSEAFLO NEO CF PREMIUM という製品があります。

CO2削減効果%は即ち燃費削減効果%と同じですので、従来型AFと比較しシープレミア3000PLUSでは表面粗度低減効果により5~8%の削減効果が見込まれます。加えて既存フジツボ汚損等でお困りの船舶をシープレミア3000PLUSに変更しフジツボ汚損も防ぐことになれば、10%以上の削減効果も見込まれます。例として一般内航貨物船 (499GT)/年間C重油消費量960トンの条件にてシミュレーションしますと、燃費削減効果10%の場合、年間C重油量は864トンで、CO2排出量は約2,980トンから約2,680トンになります。

シープレミア3000PLUS塗料はカラス貝等汚損にも有効で、塗膜上へ直接カラス貝が付着するケースは回避できると考えます。シーチェストなどにもカラス貝汚損が改善された事例もございます。シリル樹脂等の改良実施もあり、弊社旧シリル系塗料よりも性能は改善しております。日本海沿岸北航路では、亜鉛アクリル系亜酸化銅フリー防汚塗料の方が防汚性能は適しています。

防汚塗料においては、各国の防汚剤規制(例:EUのBPRなど)、有害物規制に基づいた製品開発を行い、更に自主的に防汚剤量低減やフリー化の環境対応も行っています。大気汚染防止の観点では、各国のVOC規制に合致する製品開発に加え、更なる有機溶剤低減、有機溶剤フリー化、水系化の検討を行っています。

防汚塗料には赤、赤錆、青、白、黒などあります。銅系防汚剤を使用したこれら色相製品のうち、赤、赤錆系が他色よりも若干性能が優れることがありますが、非銅系防汚塗料では、どの色相でも同程度の性能が期待できます。

通常これらの用途では無毒タイプのシリコーン防汚塗料や亜酸化銅型の自己研磨型防汚塗料が適用されています。シープレミア3000PLUSをご使用される場合、既存塗料よりも防汚効果が高くなる可能性はありますが、実際のご採用には別途種々条件や確認事項がございますので弊社営業にお問い合わせください。

シープレミア3000PLUSは短距離航行で稼働率の低い内航向け防汚塗料であり、長距離航行で稼働率の高い外航船向け防汚塗料と比べて塗膜消耗速度が速い塗料です。従いまして、外航船向けにシープレミア3000PLUSを使用しますと厚い膜厚が必要となり塗料使用量、塗り回数も増えます。外航船用には外航船向け弊社防汚塗料をお奨め致します。

今回はご紹介しませんでしたが、特に低VOC化について鋭意取り組み中です。

selektope®以外の防汚剤や加水分解樹脂で総合的に防汚性能を向上させております。

内航船も毎年上架して船底塗料を塗ることは困難になってきています。船底塗装の間隔は最長どのくらい開けることが可能ですか。同じ航海状況であった場合膜厚を厚くした場合は効果の持続は長期化しますか。内航船での最長仕様は36ヶ月となっております。

シーチェスト内部に塗装することでそのエリア内の防汚は可能ですが、配管内部へのフジツボ幼生の侵入を完全に防ぐことはできないと考えます。

例えば、水和分解型では添加により耐フジツボ性は向上しますが、耐スライムやノリ性等は加水分解型防汚塗料よりも劣ります。

シリコーン系とselektope® の組み合わせでは、シープレミア3000PLUSや弊社既存シリコーン系防汚塗料ほどの性能発揮には至っておりません。

期待できます。

弊社塗料自体には他の貝類への効果もございます。プロペラ防汚に関しては、弊社シリコーン系防汚塗料を推奨しています。

耐フジツボ性を向上させる目的にて有効です。

弊社推奨仕様にて塗装いただくことで効果が期待できます。

競合製品はございません。

selektope®を使用した漁船用防汚塗料にニューマリンゴールドDXプラスという製品がございます。

1. 競合製品はございません。
2. こちらでは把握しておりません。船社様の中には自社にてパフォーマンス解析も実施されているところがあります。

規制は有りませんが、取り組み課題の一つです。

亜酸化銅フリータイプも販売しております。亜酸化銅フリーの樹脂系は亜鉛アクリル系です。

selektope®はフジツボの幼生の触手に作用し活性化させ、海中を泳いで逃げる効果(忌避効果)を与えています。

1. 外航船に対してもselektopeは使用可能です。外航船向けの製品名は”SEAFLO NEO CF PREMIUM"となります。
2. メデトミジン自体は植物種には効果はありません。従って加水分解樹脂や併用防汚剤の性能により耐植物性が発揮されています。

シープレミア3000PLUSに採用されていますselektope®は耐フジツボ性を高めるための防汚剤です。その他防汚剤、樹脂の性能により、アオサ等のフジツボ以外の汚損生物に対しても防汚性を高めております。

漁船、ヨット等には別途製品ラインアップが準備されています。漁船用は”ニューマリンゴールドDXプラス”。ヨット等用は”SEAJET 037"が selektope®入り製品となります。プロペラ用には現在設定がありません。

塗り重ね性につきましては、多種多様ありますので恐縮ですが、弊社代理店、最寄りの営業所にお問い合わせ願います。

従来型と比べ大きな変更は有りません。

各船の運航条件、航路により最適防汚塗料は異なりますが、シープレミア3000PLUSは幅広い運航形態にも対応できる高性能防汚塗料です。各対象船の条件により最適塗料を推奨しますので、弊社担当営業まで別途ご相談下さい。

内航船用は塗膜消耗速度が速いため、多くの膜厚が必要になります。

第2部:就航解析及び燃費解析サービスについて

将来的に検討させていただきたいと考えています。現状では取得しておりません。

低燃費防汚塗料をご採用頂いたお客様へのサービスとして提供しております。
詳細については弊社営業にお問い合わせください。

解析精度については、お客様よりご提供いただくデータや評価基準によって変わってきますが、長期トレンド解析を行う場合は0.5~5%程度を見込んでます。但し生物汚損影響は5%(軽度の汚損)~ 30%(重度の汚損)程度と考えており、仮に低精度データを利用した場合でも十分に判定は可能と考えております。

1. 就航データがない新造船の場合は、お客様より開示いただく航路や稼働の情報を基に最初の推定を行うこともできます。
2. 海水温度、クロロフィル濃度等も参考になりますが、過去多数の実船実績により判断しております。
3. プロペラ抵抗については入渠時にプロペラクリーニングも実施されますので、低下したものと考えられます。(また、ご参考までに、プロペラへの弊社シリコーン系防汚塗料を塗装することにより、プロペラ汚損を防ぎプロペラ抵抗増加を防ぐことも有効と考えます。)

3つの解析のうち、どれか1つでも利用した場合の実績は2,700隻です。

今後は水中ドローンを活用し、実際の汚損有無を確認していきたいと考えております。

フィルタリングにより、排水量にもしきい値を設けますので、広い排水量の範囲に一律に適用することにはならないと考えております。フィルタリングのしきい値や補正方法も今後、より良い方法を見つけていきたいと考えております。

フジツボ汚損で有ればその生物付着自体が大きな粗度となるため、汚損の程度が与える影響が多いと考えます。塗膜平滑度に関しては、新造船であれば概ね10%以内ですが、長期間(10~20年)塗り重ねてくると、20%程度まで増加してくるものと考えます。一方、生物汚損の影響に関しては、短期間で20~50%まで増加することも考えられるため、汚損の程度の影響が大きいものと考えます。

海水温度、クロロフィル濃度等も参考になりますが、過去多数の実船実績により判断しております。

FIR解析の為の粗度データは入渠時に専用の機器で測定いたします。就航解析はAISデータ及び気象データを基に解析し、燃費解析は、船から取得したデータより解析します。船から取得したデータは測定機材から取得したデータであったり、アブログから取得したデータと個別に有ると思いますが、どれも使用可能です。

全体の解析となるため、ニッチエリアの解析は困難です。

運航後の粗度変化については弊社Labでのシミュレーション、および実船調査にて実施しており、塗装直後よりも運航後に塗膜粗度は低減して行くことを確認しております。粗度低減については塗膜の消耗量と関係するパラメーターであり、温度が高く速度が速いと粗度の低減も大きくなると考えています。

定期的にアブログデータをご提出いただければアドバイス可能です。性能変化を経時で解析し、性能悪化が認められ、また就航解析から判明した運航状態も考慮し船底汚損の可能性が高いと判断されれば、UWCのタイミングと考えることができます。

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