SUSTAINABILITY
生物多様性
基本的な考え方
生物多様性は気候変動と並ぶグローバルな課題であり、「生物多様性の保全と持続可能な利用」は重要課題の一つと位置づけられています。自然共生社会の構築を通じて持続可能な社会を実現するためには、事業活動において幅広い環境配慮の取り組みを推進していく必要があります。
中国塗料グループでは、生物多様性への取り組みを強化するため、2023年10月に「生物多様性方針」を策定しました。本方針に基づき活動を進めていきます。
生物多様性方針
マネジメント体制
サステナビリティ委員会の資源活用・汚染防止部会を中心に、国内グループの関連部門と連携し、生物多様性の保全に取り組んでいます。海外グループ会社においては、各国の法令等を遵守しながら、各拠点が主体的に対応を進めています。
目標・指標
| 項目 | 2024年度 | 2025年度以降 | 対象範囲 | |
|---|---|---|---|---|
| 目標 | 実績 | 目標 | ||
| 海洋生物越境移動対策にも資する環境対応高性能船底防汚塗料の販売比率(※)引き上げ |
|
50% |
|
グループ全体 |
船底防汚塗料全体に占める割合(隻数ベース)
取組・実績
■ 製品を通じた貢献
船底防汚塗料は、船底への海洋生物の付着を防ぎ、航行時の摩擦抵抗を低減することで、燃料消費量およびCO₂排出量の削減に寄与する、船舶の安全かつ効率的な運航に不可欠な塗料です。
当社の高性能防汚塗料は、極少量の添加で高い耐フジツボ性を発揮する環境配慮型の新規防汚剤を採用しており、優れた燃費低減効果に加え、海洋生物の越境移動対策にも貢献しています。
■ 生物多様性の保全に配慮した製品の開発
詳細は、下記ページをご参照ください。
参照先
■ 事業活動における生物多様性への影響の軽減
詳細は、下記ページをご参照ください。
参照先
■ サプライチェーンにおける生物多様性への影響の把握
サプライチェーン全体における潜在的な生物多様性リスクを特定・評価するため、サプライヤーを対象に調査を開始しました。生物多様性価値の高い地域における事業拠点の有無や、事業活動が生態系へ与える影響の把握状況などを確認し、生物多様性への影響の最小化に向けた取り組みを進めています。
■ 購入における環境負荷低減
グリーン購入の推進
国内グループでは、グリーン購入法に基づき、環境負荷の少ない製品を優先的に選定する「グリーン購入」を推進しています。2024年度における国内グループのグリーン購入率(購入金額ベース)は59%となり、前年度から20ポイント低下しました。
FSC認証紙の利用
コピー用紙の購入にあたっては、グリーン購入法に適合したFSC(森林管理協議会)認証製品を積極的に採用し、責任ある森林管理を支援しています。また、印刷物においてもFSC認証紙の利用を進め、株主向け報告書等に使用しました。
■ 生物多様性リスク評価
当社グループの事業活動が生物多様性に与える影響を把握するため、国内外の生産拠点を対象に、生物多様性評価ツール「IBAT(※1)」およびWWF(※2)が提供する「BRF(※3)」を用いた調査を実施しました。生物多様性上の重要エリアに近接する拠点については、関連法令を遵守しながら適切な対応を進めています。
IBATによる生産拠点周辺の生物多様性評価
生産拠点から半径50km以内を対象に生物多様性重要エリア(IUCN絶滅危惧種、国指定 地域、世界遺産、ラムサール条約登録湿地、KBAs(※4))の近接状況を調べました。その結果、IUCN絶滅危惧種数が多い地域は主に東南アジアに集中し、保護地域およびKBAsが多い地域は日本、韓国、欧州に多く分布していることが確認されました。
| 地域 | 生産 拠点数 |
IUCN絶滅危惧種カテゴリー | 保護地域 | KBAs | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| CR(※5) (深刻な危機) |
EN(※6) (危機) |
VU(※7) (危急) |
合計 | 国指定 地域 |
世界 遺産 |
ラムサール 条約登録湿地 |
合計 | |||
| 日本 | 4 | 33 | 303 | 241 | 577 | 631 | 0 | 5 | 636 | 18 |
| 中国 | 2 | 43 | 120 | 148 | 311 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 韓国 | 1 | 10 | 45 | 58 | 113 | 112 | 0 | 2 | 114 | 3 |
| 東南アジア | 5 | 173 | 1,131 | 719 | 2,023 | 31 | 0 | 6 | 37 | 24 |
| 北米 | 1 | 15 | 27 | 62 | 104 | 22 | 0 | 0 | 22 | 2 |
| 欧州 | 1 | 7 | 13 | 73 | 93 | 277(※8) | 0 | 15 | 242 | 30 | 合計 | 14 | 281 | 1,639 | 1,301 | 3,221 | 1,023 | 0 | 28 | 1,051 | 77 |
| 種数(延べ) | 地域数(延べ) | |||||||||

1. IBAT:Integrated Biodiversity Assessment Tool(生物多様性評価ツール)の略
2. WWF:World Wide Fund for Nature (世界自然保護基金)の略
3. BRF:Biodiversity Risk Filter(生物多様性リスク評価)の略
4. KBAs:Key Biodiversity Areas(生物多様性重要地域)の略
5. CR:Critically Endangered(深刻な危機)の略
6. EN:Endangered(危機)の略
7. VU:Vulnerable(危急)の略
8. National 2000(EUが定める生物多様性保全ネットワーク)数含む
WWF BRFによる生産拠点周辺の生物多様性リスク評価
生産拠点を対象に20の物理的リスク(事業活動が自然環境に依存していることによって生じる、直接的な影響や脅威)指標および13の評判的リスク(生物多様性に関する社会的・文化的な価値や保護状況に起因するリスク)指標を調べました。その結果、物理的リスクおよび評判的リスクの双方が高い地域は中国であることが確認されました。
| 地域 | 生産拠点数 | 物理的リスク | 評判的リスク |
|---|---|---|---|
| 日本 | 4 | 中程度 | 中程度 |
| 中国 | 2 | 高い | 高い |
| 韓国 | 1 | 中程度 | 中程度 |
| 東南アジア | 5 | 中程度 | 中程度 |
| 北米 | 1 | 中程度 | 中程度 |
| 欧州 | 1 | 中程度 | 中程度 |

■ 他団体との協働
市民活動団体「フィールドワークやす」との協働
滋賀工場では、市民活動団体「フィールドワークやす」が主催する祇王井川の清掃活動に継続的に参加しています。同団体は、野洲平野に広がる自然や歴史・文化的風土を地域の共有財産として保全・創生することを目的として活動しています。河川清掃活動は、地域に根ざした環境保全活動として定着・継続することを目指しています。
■ 水循環への対応
地下水涵養
インドネシアの工場では、雨水を有効活用するため、2023年9月に地下水涵養を目的とした浸透井戸を設置しました。2017年に続く3基目の設置となります。雨水利用の推進は、雨水の集中流出抑制、地下水涵養の促進、水資源の有効活用など、地域の水循環への貢献が期待されています。