SUSTAINABILITY
気候変動対応
基本的な考え方
気候変動の影響は年々深刻さを増しており、自然環境や社会に大きな影響を及ぼしています。当社においても、気候変動問題は重要な経営課題の一つであると認識しています。
世界各地で異常気象が発生する中、脱炭素社会への移行に向けた取り組みは、世界的に加速しています。パリ協定では、世界の平均気温上昇を産業革命以前と比べて2℃より十分低く抑え、1.5℃に抑える努力を行うことが共通目標として掲げられています。
当社グループは、2024年4月にカーボンニュートラル宣言を発表し、「グループ全体の温室効果ガス排出量を2030年度までに45%削減(2021年度比)、2050年度にカーボンニュートラル実現を目指す。」ことをグループ目標に設定しました。
自社の事業活動に伴う温室効果ガス排出量の削減に加え、製品提供を通じて社会全体の温室効果ガス排出量削減に貢献することが重要であると考えています。
気候変動の進行を緩和するため、当社グループは温室効果ガス排出削減に取り組みます。具体的には、生産におけるエネルギー使用量の削減や再生可能エネルギーの活用、低炭素原材料への転換などの「生産における低炭素化」、低燃費型船底防汚塗料やバイオマス塗料などの「環境貢献価値を有する製品による温室効果ガス排出削減」、製品容器のリユースなどを含む「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量削減」を推進します。
また、気候変動による環境変化への適応も重要な課題と捉えています。気候変動に伴う温暖化は、人々の暮らしや健康に大きな影響を及ぼすことが予想されます。当社グループは、高日射反射率の遮熱塗料による室内温度上昇の抑制など、QOL向上価値を有する製品の拡充を通じて、気候変動に適応可能な社会の実現を目指します。
さらに、温室効果ガス排出量削減の取り組みに加え、気候関連情報の透明性のある開示が求められる中、当社は気候関連財務情報開示に関するタスクフォース(TCFD)に賛同し、気候に関連するリスクや機会の財務影響をTCFDのフレームワークに基づいて情報開示しています。
マネジメント体制
当社グループでは、サステナビリティ委員会の気候変動対策部会と関連部門が連携して、温室効果ガス排出量の削減および省エネルギーに取り組んでいます。海外グループ会社においても、各国の法令を遵守しながら、主体的に気候変動対策を推進しています。
エネルギー使用状況については、国内グループからは毎月、海外グループからは年1回の報告を受け、グループ全体の状況把握と管理に活用しています。
目標・指標
| 項目 | 2024年度 | 2025年度以降 | 対象範囲 | |
|---|---|---|---|---|
| 目標 | 実績 | 目標 | ||
| 温室効果ガス排出量の削減率 (Scope1+2 / 2021年度基準) |
|
38%削減 |
|
グループ全体 |
| エネルギー原単位の削減(2021年度基準) |
|
9.0%減 |
|
当社及び国内子会社 |
| 高性能船底防汚塗料の供給拡大による温室効果ガス削減貢献量(2008年基準) |
|
153.0万t-CO2 |
|
グループ全体 |
集計対象は3,000DWT以上の外航船
取組・実績
温室効果ガス排出量
Scope1+2 排出量の推移
中国塗料グループ全体のCO2排出量(Scope1+2)は12,809トンとなり、前年度比で2,064トン減少しました。また、2024年度のCO2排出量原単位の変化率は、2022年度比で30%減となり、2023年度の同9%減から改善しました。
この主な要因として、オランダ拠点における購入電力を再生可能電力100%に切り替えたことに加え、国内グループにおいても再生可能電力の購入を進めたことが挙げられます。

| 項目 | 単位 | 2022 | 2023 | 2024 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 生産拠点 | CO2 排出量 | t-CO2e | 14,569 | 13,428 | 11,452 |
| CO2 排出量原単位 | kg-CO2e/t | 75 | 70 | 54 | |
| 非生産拠点 | CO2 排出量 | t-CO2e | 1,733 | 1,445 | 1,357 |
| CO2 排出量原単位 | kg-CO2e/m2 | 110 | 71 | 64 |
Scope1 排出量
中国塗料グループ全体のScope1排出量は、2023年度から264トン減少しました。削減率は2023年度比で6%、2022年度比で5%となっています。
Scope1 排出量の推移
(単位:t-CO₂e)
| 項目 | 2022 | 2023 | 2024 | |
|---|---|---|---|---|
| CO2(エネルギー起源) | 4,168 | 4,205 | 3,941 | |
| CO2 (エネルギー起源) |
日本 | 3,006 | 2,840 | 2,976 |
| 中国・北東アジア | 1,058 | 1,240 | 813 | |
| 東南アジア | 91 | 111 | 136 | |
| 欧州・北米 | 13 | 14 | 16 | |
| CO2(非エネルギー起源) | 0 | 0 | 0 | |
| N2O | 0 | 0 | 0 | |
| HFCs | 0 | 0 | 0 | |
| CH4 | 0 | 0 | 0 | |
| SF6 | 0 | 0 | 0 | |
| NF3 | 0 | 0 | 0 | |
Scope1は、GHGプロトコルの定義に基づく区分です。
Scope1:燃料の燃焼などにより、企業が自ら直接排出する温室効果ガス排出量を指します。
排出係数には「地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく排出係数」を使用しています。
Scope2 排出量
中国塗料グループ全体のScope2排出量は、2023年度から1,800トン減少しました。削減率は2023年度比で17%、2022年度比で27%となっています。
Scope2 排出量の推移
| 項目 | 単位 | 2022 | 2023 | 2024 |
|---|---|---|---|---|
| 総排出量 | t-CO2e | 12,134 | 10,668 | 8,868 |
| 日本 | t-CO2e | 4,601 | 3,244 | 2,611 |
| 中国・北東アジア | t-CO2e | 5,360 | 5,146 | 4,175 |
| 東南アジア | t-CO2e | 1,885 | 1,981 | 1,986 |
| 欧州・北米 | t-CO2e | 288 | 297 | 96 |
Scope2は、GHGプロトコルの定義に基づく区分です。
Scope2:購入した電気や熱、蒸気により間接的に排出される温室効果ガス排出量を指します。
排出係数は、国内拠点では「地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく電気事業者別排出係数」の調整後排出係数を使用しています。
海外拠点については、各国法規制等に基づく固有の係数、またはIEA Emissions Factorsを使用しています。
Scope3 排出量
中国塗料グループ全体のScope2排出量は2023年度より1,800トン減少、2023年度比で17%削減、2022年度比で27%削減しました。
中国塗料グループ全体のScope3 排出量の推移
(単位:t-CO₂e)
| 項目 | 2022 | 2023 | 2024 |
|---|---|---|---|
| 1. 購入した製品・サービス | 570,921 | 734,560 | 883,650 |
| 2. 資本財 | 2,562 | 3,664 | 4,016 |
| 3. Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動 | 2,348 | 2,350 | 2,339 |
| 4. 輸送・配送(上流) | 9,195 | 8,496 | 7,952 |
| 5. 事業から出る廃棄物 | 3,845 | 3,162 | 3,672 |
| 6. 出張 | 318 | 424 | 557 |
| 7. 雇用者の通勤 | 2,145 | 3,163 | 2,904 |
| 8. リース資産(上流) | 0 | 0 | 0 |
| 9. 輸送、配送(下流) | 0 | 0 | 0 |
| 10. 販売した製品の加工 | 5,926 | 6,108 | 6,809 |
| 11. 販売した製品の使用 | 0 | 0 | 0 |
| 12. 販売した製品の廃棄 | 635 | 690 | 774 |
| 13. リース資産(下流) | 0 | 0 | 0 |
| 14. フランチャイズ | 0 | 0 | 0 |
| 15. 投資 | 0 | 0 | 0 |
| 合計 | 597,894 | 762,617 | 912,673 |
Scope3排出量は、GHGプロトコルの基準に基づいて算定しています。算定にあたっては、IDEAv2(「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース(Ver.2.3)」)に記載された排出原単位を使用しています。また、輸送に関する排出量については、経済産業省告示「貨物輸送事業者に行わせる貨物の輸送に係るエネルギーの使用量の算定の方法」に基づき算出しています。
Scope1,2,3 排出量の構成
中国塗料グループ全体のScope1+2+3排出量は925千トンで、Scope3の購入した原材料による排出量が96%、Scope1+2が1%を占めました

省エネルギー(工場・事務所)
エネルギー使用量の推移
中国塗料グループ全体の2024年度におけるエネルギー使用量は266TJとなり、前年度から3TJ削減しました。また、エネルギー原単位は2022年度比で20%改善しています。主な要因として、国内拠点における分散機、コンプレッサー、エアコン等の更新、照明のLED化に加え、工場・技術拠点での電力デマンド管理を徹底したこと等が挙げられます。

| 項目 | 単位 | 2022 | 2023 | 2024 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 生産拠点 | エネルギー使用量 | TJ | 262 | 236 | 231 |
| エネルギー原単位 | GJ/t | 1.3 | 1.2 | 1.1 | |
| 非生産拠点 | エネルギー使用量 | TJ | 33 | 33 | 35 |
| エネルギー原単位 | GJ/m² | 2.1 | 1.6 | 1.7 |
電気等の購入
中国塗料グループでは、再生可能電力への切り替えを推進しています。2024年度における再生可能電力の購入量は、グループ全体の購入電力の28%を占めました。また、自家消費用の太陽光発電設備も導入しており、2024年度の総発電量は352MWhとなりました。
電気・熱等の購入量の推移
| 項目 | 単位 | 2022 | 2023 | 2024 |
|---|---|---|---|---|
| 電気 | TJ | 227 | 201 | 203 |
| 熱 | TJ | 1 | 1 | 1 |
| 蒸気 | TJ | 0 | 0 | 0 |
| 冷却 | TJ | 0 | 0 | 0 |
再生可能電力購入量の推移
| 項目 | 単位 | 2022 | 2023 | 2024 |
|---|---|---|---|---|
| 購入電力 | TJ | 12 | 41 | 56 |
| 全購入電力に占める割合 | % | 5 | 21 | 28 |
太陽光発電による発電量
| 事務所 | 単位 | 2022 | 2023 | 2024 |
|---|---|---|---|---|
| 広島本社 | MWh | 10 | 11 | 11 |
| CHUGOKU PAINTS B.V. | MWh | 281 | 129 | 121 |
| TOA-CHUGOKU PAINTS CO.,LTD. | MWh | - | - | 220 |
燃料消費量
中国塗料グループでは、燃料の使用を抑えるため老朽化した設備の更新を進めています。また、ボイラーの高効率化による運転時間の短縮など、設備の効率的な運用に取り組んでいます。
燃料種類別消費量の推移
| 項目 | 単位 | 2022 | 2023 | 2024 |
|---|---|---|---|---|
| 天然ガス | TJ | 20 | 21 | 15 |
| A 重油 | TJ | 38 | 36 | 38 |
| 軽油 | TJ | 2 | 3 | 0 |
| 灯油 | TJ | 2 | 2 | 2 |
| その他 | TJ | 4 | 4 | 6 |
省エネルギー(輸送)
輸送時のエネルギー使用量
当社の2024年度における輸送時のエネルギー使用量は57TJとなり、2023年度比で2%増加しました。一方、輸送量あたりの原単位変化率は2022年度比で0.8%増と、2023年度の2.9%増から改善しています。

輸送時のCO2排出量
当社の2024年度における輸送時のCO2排出量は39百トンとなり、2023年度から微増しました。輸送量あたりの原単位変化率は2022年度比で1.4%増となりましたが、2023年度の3.4%増からは改善しています。

輸送効率の向上
一度に輸送する量を増やすため、積載率の向上や幹線輸送における輸送車両の大型化に継続的に取り組んでいます。
環境負荷の小さい輸送手段への転換
トラック輸送から、CO2排出量の少ない鉄道や船舶への切り替え(モーダルシフト)等を継続的に推進しています。
輸送距離の短縮
運送事業者に対し最短輸送ルートを提案する等、輸送距離の短縮に継続的に取り組んでいます。
フロン排出抑制法対応
フロン類の管理
フロン類を使用する業務用冷凍空調機器等の所有者には、フロン類の管理の徹底と、一定量以上の漏洩が発生した場合の報告が義務付けられています。
国内の中国塗料グループでは、該当する機器を414台保有しており、国が定める管理者判断基準に基づき、フロン類の漏洩量の把握に努めています。なお、2024年度においては、1,000t-CO2以上に相当するフロン類の漏洩は発生していません。
ステークホルダーエンゲージメント
一般社団法人日本塗料工業会を通じた間接的なエンゲージメント
当社は、一般社団法人日本塗料工業会(以下、日本塗料工業会)に加盟しています。日本塗料工業会は、一般社団法人日本化学工業協会(以下、日本化学工業協会)に団体正会員として所属し、同協会の方針に沿った活動を行っています。
日本化学工業協会では、2050年及びそれ以降へ向け、地球温暖化問題の解決と持続可能な社会の実現に向けた化学産業のあるべき姿とその実現のための長期戦略を策定しています。日本塗料工業会においてもこの方策に基づき活動しています。塗料は、洋上風力タービンの防錆、ソーラーパネルのシリコンコーティングを通じて、グリーン電力の生産をサポートしています。また、電線やケーブルの塗装により、分散型再生可能エネルギー発電システムの電力輸送・蓄電を支えています。当社においても、日本塗料工業会を通じて、間接的に気候変動へのエンゲージメントを行っています。
日本塗料工業会 VOC-WG の取り組みへの参加
日本塗料工業会では、NMVOC(非メタン炭化水素)の削減を通じて、間接的なCO2排出量削減に取り組んでいます。毎年、会員企業からの情報を基に「塗料からのVOC排出実態推計」を集計しています。当社においても、VOC削減に取り組むことで、CO2排出量の低減に貢献しています。